糖尿病を甘く見ないで!腎不全・人工透析は大変 


糖尿病から腎不全、人工透析治療が始まり、辛い病と闘い続けた大切な人。亡くなって振り返り気付くこともたくさんあります。糖尿病をしっかり治療し進行を止めることが出来たなら、もう少し永く生きていれたのかも・・と考えると、今日は看病しておられる方々にも、私と同じ想いをしないでという想いから、お知らせしたくなりました。

 

1.糖尿病を甘く見ないで!

 

15年以上も糖尿病と闘ってきた、あの人が亡くなって気づいたこと。

 

 

そうそれは15年も前からインスリンという自己注射を接種していた。毎食前。就寝前にお腹に小さな針で接種します。

 

 

見ていて痛々しいですが、本人にすればもう当たり前のように慣れてしまっていたようです

 

 

ただ同じところに毎日毎日、針を刺すと皮膚が硬くなってしまうので少しずらしながら接種していたようでした。

 

 

生体肝移植からの糖尿病発症でしたのでインスリンの用量も一般の方からすると単位数は多かったように思います。

 

 

ひとつの理由として「免疫抑制剤」というお薬を飲んでいたのも関係があるようです。

 

 

 

そして肝移植を行った後には、何年生きれるかもわからないという不安もあったのでしょう。

 

 

けれど日に日に体力は回復し、健常者と同じような生活ができるレベルまで回復していました。

 

 

少し気になっていたところがインスリンの単位数の量の多さでした。

 

 

けれど本人にしてみれば、「あと何年生きれるか分からないのに美味しいものを食べて過ごしたい」という思いがあったのでしょう。

 

 

私としては、出来る限り糖分を控えるようにと思う気持ちはありましたが、疾患を持ってる人の心の苦しみや辛さは本人にしかわからないこともあると思っていました。

 

 

よく言っていた口癖が「病院の先生も糖尿病になったことがないので自分の体のことは自分が一番よくわかっている」という言葉でした。

 

 

それを聞くと医師でもない私が何を言ったところで正しい判断ではないのでしょうと考えあまり気持ちが良くない言葉は発しないように気をつけていましたね。

 

 

2.血糖コントロールの為の入院

 

けれど血糖調節が出来なくなり、あまりにも高血糖が続くと病院の先生は入院という処置を取ってくださり食事療法・血糖コントロールも行っていただきました。

 

 

2週間ほど病院食を食べていると、随分血糖値は下がり落ち着いてきていました。

 

 

病院の中で入院している間だけは頑張って辛抱し甘いものも控えていたようでしたが、お家に帰るとやはり普段辛抱しているのが、時折ドカンと甘い物だらけのおやつ等を買って食べていましたね。

 

 

「インスリンを打っているから大丈夫」と本当は思ってはいないんだけれども、そう言い聞かせながら気持ちをコントロールしていたのでしょう。

 

 

そう10年くらいはそんな生活でも健常者と同じ生活ができることで満足するよう努力はしていたようです。

 

 

体調は良くなったり悪くなったりも多かったけれど、一生懸命お水を飲みお小水を出し「体を綺麗にするんだ」と言いながらできる範囲での努力はしていたようでした。

 

3.突然体重10Kg増加!

 

ある日旅行に行ってた際に、なぜか歩き方がおかしいなあと後ろから着いて行く私が気づいたのですが、「何か変だよ。大丈夫」と聞いてみると「足が重い、そして男性の大事なところがパンパンに腫れている」ということを伝えられました。

 

 

翌日、慌てて病院に駆け込むとなんと二日で体重は10 kg も増えていました。

 

 

そうなのです。全身がむくんでいた様です。よく考えてみるとお小水が出なくなっていたようでした。

 

 

本人も予想もしなかった出来事でビックリしていました。腎臓の機能が正常に働かなくなってしまったようです。

 

 

そこからは、次は「塩分と水分の制限」が始まります。

 

 

糖尿病で糖分の制限をしなければならず、次は腎臓病で塩分と水分の制限をしなければならない。なんとも可哀想で仕方がない思いでいっぱいでした。

 

 

 

けれど自分が病気で辛い姿を他人に見せるのは良くないということを考える繊細な気持ちを持っている方だったので元気に振る舞っているところもありました。

 

 

病院の先生方に人工透析を勧められる時期が来てしまいました。

 

4.人工透析始まりは大変

 

 

もう少しそばにいた私が糖分を控えることに、共に協力し無理にでも食事療法をさせていたならば、この人工透析開始の日は遅らせることができたのかなと今は思います。

 

 

けれど、当時の本人にしてみれば「美味しいものを美味しく食べたい。あと何年生きられるか分からないんだから節制節制と言って辛抱するのもうんざり」という気持ちもあり、あまりしつこく勧めると怒る状態の日が続いていました。

 

 

 

けれど、今糖尿病を患い食事制限を頑張っておられる方のお世話をしておられる方々にお伝えしたいことは、本当に精一杯想いをこめて作った料理は「美味しい美味しい」と言って食べてくれていましたね。

 

 

今回亡くなったのは、糖尿病が直接の原因では無かったです。 人工透析から高血圧になり脳出血という形で突然に襲ってきた、まったく別の病で亡くなってしまいました。

 

 

糖尿病を甘く見ないで!と言うことを皆さんにお知らせしたい気持ちでいっぱいです。

 

 

人工透析を受けなければ生活できないという身体になってしまっては本当に大変です。

 

 

1日置きの4時間の透析治療、それはそれは辛そうなものです。

 

 

治療後の数時間は頭の中がフラフラで、まっすぐには歩けない状態の日もあるようでした。

 

 

当初はいつ死ぬか分からないと言っていましたが、何かがあっても先生方が処置して下さることに少し安心し始めたのか、「自分はこうやって、あと何年もいろんな病気を背負いながら生きていくだろう」と言っていたあの人でしたが、突然に50歳代の若さで天国に帰っていってしまいました。

 

 

私も15年前からずっと病気と関わり、そばで見ていたので「そうなんだろうなー」と思っていました。

 

 

けれど突然に予想もしない脳出血と言う新たな病で亡くなってしまったことにはショックでしたね。

 

 

体調が悪くなると喧嘩もいっぱいしました。楽しい思い出もいっぱいありました。

 

 

何か言うと体調が悪いせいか機嫌が悪く怒られることもたくさんありました。

 

 

今思うとその時その時をもっともっと楽しく過ごせば、良かったなあと思う気持ちでいっぱいです。

 

 

人は先のことを心配しあーだこーだと悩み、そして夫婦だと老後がどうだ等と喧嘩をすることもあるでしょう。

 

 

嫌なこともあるでしょう けれど居なくなってしまえばそんな先のことで喧嘩をしていたことがバカみたいと思います。

 

 

今、この与えられた瞬間瞬間を心穏やかに、楽しく過ごすことが大切だったのでしょうと振り返ります。

 

 

亡くなってから気付くことは、山ほどあります。

 

 

喧嘩をした嫌な思いなんて吹っ飛んでしまいます。今、私の身の回りにあるものはあの人の愛情たっぷりの山物だらけです。

 

 

今頃気づいてごめんなさい。という思いと、病魔と闘いながら精いっぱい愛してくれてありがとう。という気持ちで今は感謝しかありません。

 

 

亡くなってから気づくことは遅かったかもしれません。けれど振り返るといろんな場面場面はすべて必然だったのだなあと感じています。

 

 

5.まとめ

 

糖尿病からくる腎不全。本当に大変です

 

 

今糖尿病の治療をしておられる方、辛い時もあるかもしれません。

 

 

もうやけっぱちになる時もあるかもしれません。

 

 

けれど甘い物の食べ方、食事の後に少量ならOK! 全くダメではなくて食べ方により調理の仕方により美味しく食べれる食材もあります。

 

 

看病しておられる奥様方、身内の方々の大変さもお察しします。

 

 

けれど愛情をもって精一杯の努力をさせて頂くと、嬉しそうに「ありがとう」という言葉も頂けます。

 

 

「糖尿病を甘く見ないで!」 ここから先に悪化させないように! 楽しくストレスが溜まらないように治療に励んでください。

 

 

看病される方の大変さ、そばに居るだけで気が病む事もあります。

 

 

けれど亡くなってしまってから後悔しても、もう帰って来ないんです。

 

 

喧嘩する相手がいるだけで幸せなのかもしれません。

 

 

私も随分落ち込みましたが、今振り返ってみると全ては、その日が来た時に私が嘆き悲しみ立ち上がれなくならないための、あの人の精一杯の愛情だったのかもしれないなぁと思う事がたくさんあります。

 

 

今は感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

ありがとう。